【航続距離500kmオーバー!】こんなに“ちょうどイイ”BEVってほかにないでしょ!? スズキ最新BEV「eビターラ」の完成度の高さに驚いた!

【航続距離500kmオーバー!】こんなに“ちょうどイイ”BEVってほかにないでしょ!? スズキ最新BEV「eビターラ」の完成度の高さに驚いた!

2026年3月3日

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BEV(電気自動車)は気になっているけど、いまいち購入にまで踏み切れない人。実際に多いと思います。ボディの大きい車種が多い。航続距離が短い。4WDじゃないとダメ。そもそも価格が高すぎる。いろんな問題点があることは事実です。しかし、そんな多くの問題点が解決できそうなBEVが、スズキから登場しました。それが今回紹介する新型BEV「eビターラ」です。

◆じつは今が一番お買い得なBEV事情

まずは、2026年2月現在のBEV事情を知っておきましょう。軽自動車をのぞいて、500万円以下で購入できる国産BEVは日産リーフと、マツダ MX-30、そしてスズキのeビターラのみ。輸入車ですと、ヒョンデやBYDで何車か選択できますが、多くのBEVは500万円を超える高額商品です。

そんなBEVには購入補助金が国から援助されますが、最近これが増額されたことはご存知でしょうか? 2026年1月から始まった新制度では、BEV(登録車)の補助金は今までの80~90万円から最大130万円にまで増額されました。こうなると、500万円以下で購入できるBEVも実質通常のエンジン車とそんなに変わらない金額まで下がることになります。日本でのBEV購入は、いま最大級の追い風が吹いているといって間違いないでしょう。

今回紹介するスズキ eビターラは、車両本体価格が399.3~492.8万円。国からの購入補助金が127万円と設定されていますので、実質272.3万円から購入できるのです。ここまで金額が下がってくると、ちょっと前向きに考えてみようかと思う人も増えるのではないでしょうか。

◆初のBEVとは思えない完成度

さて、肝心のeビターラに乗った感想ですが、正直申し分がなさすぎて逆に驚きました。スズキがリリースする本格的な登録車のBEVはこれが初めてであるにもかかわらず、その完成度の高さが際立っています。

eビターラのシャシーには新開発の「eハーテクト」というプラットフォームが採用されています。これはBEV専用のプラットフォームとして設計されていて、トヨタとも共同開発された世界戦略車用の新型プラットフォームです。Bセグメントのクルマとは思えないほどの剛性感が感じられ、乗り心地も良好。ガタつくことは一切なく、前席でも後席でも不快な揺れがしっかりと抑えられています。

eビターラには、駆動方式がFWDと4WDの2種類が用意されていますが、それぞれサスペンションセッティングが変えられていることもトピックです。しなやかなFWDに比べ、4WDは車重が思い分少しハードめのセッティングとなっています。とはいえ、4WDでも不快に感じる場面はまったくありませんでした。

これまでのスズキ車と同様、ドライバビリティにも優れているのはeビターラの特徴といえます。ブレーキはしっかりと踏まないと効かない、踏んだ分の制動力が出るタイプ。そしてアクセルも急激に加速するのではなく、踏み始めはゆっくりと加速するセッティングとなっています。ステアリングの遊びも最小限で、とにかく動きがナチュラル。思った通りの操作ができます。スイフトなどの登録車でも見られたスズキ車の自然なドライバビリティは、このeビターラでも存分に生かされていました。

このドライバビリティと乗り心地、そしてボディの剛性感などを総合的にみても、欧州のプレミアムカーに決して引けを取っていないと感じました。そんなレベルの乗り味を提供してくれるとは、まったく予想をしていませんでした。メーカー初のBEVとは思えないほどのクオリティの高さ。これこそがeビターラ最大の特徴だといえます。

◆価格に見合った上質感

内外装デザインも、このeビターラの特徴です。2023年のジャパンモビリティショーに展示され、大きな反響を得たコンセプトカー「evx」をベースにしたエクステリアデザインは、ラギッド感の高いタフなSUV風スタイル。ゴツゴツしているようなデザインは、BEVにはあまり向かないのではと思い、空気抵抗などのエアロダイナミクス面について開発者に質問をしてみました。

「意外にもスズキ車のなかではかなり空気抵抗の少ない方です。cd値は自慢できるほどよくもないですが、BEVとして最低限の空気抵抗になるようデザインしました」と、コンセプトカーを見て気になっていた人にとっては朗報ともいえるコメントが聞けました。

そして内装のデザインは、今までのスズキ車にはあまり見られなかった上質感がプラスされています。車両本体価格がスズキ車としては高額の部類に入るクルマなので、そこは開発陣もかなり意識していたようです。個人的に気になったのは、ブラックに統一してある天井のライニングでした。後席に座った時、天井が明るいグレーよりもブラックの方が落ち着きがあり高級感が増します。

内装に関係するところでいえば、走行時の静粛性も特筆するレベルでした。BEVですから静かなのは当たり前と思うかもしれませんが、走行中の風切り音やロードノイズにもしっかりと対策がされており、かなり静かに作られています。

◆日本の生活にピッタリ

このeビターラ、ここまでは試乗のインプレを中心にお届けしましたが、冒頭に挙げたサイズ感や航続距離などにはまだ触れていません。これらの情報を加えると、eビターラもいいかもと考えるようになるでしょう。

まずサイズは、Bセグメントに属する大きさです。全長×全幅×全高のスリーサイズは、4275×1800×1640(単位mm)。全長を見ればかなりボディはコンパクトなのがわかります。しかし、ホイールベースは2700mmもあるため室内空間が広く、後席やラゲッジもCセグメントレベルの広さが確保されています。ホイールベースが長いにもかかわらず、最小回転半径が5.2mに抑えられている点も使い勝手を重視しているポイント。いわゆる、日本においても「ちょうどいい大きさ」。eビターラはここが大きな特徴となっています。

というのも、このサイズのBEVが現在の日本市場にはあまり存在しないからです。しかも4WDも用意されているとなると、eビターラしか選択肢が浮かばくなります。唯一無二のBEVとして、日本での使用に適しているBEVだといえるでしょう。

BEVで必ず問題となる航続距離に関しても、WLTCモードの一充電走行距離が433~520km(4WDは472km)と、必要十分。急速充電は90kWで最大速に対応していて、10~80%が45分くらいで充電可能とのことですので、普段の生活では十分以上の性能ではないでしょうか。

自宅などで充電する場合の付属ケーブルも、7mのロングケーブルが標準で付いてくるところは嬉しいポイント。しっかりとラゲッジ下の収納スペースに収まるよう設計されている点も見逃せません。

◆補助金のあるうちに!

長所ばかりを上げてきましたが、気になる点もいくつかありました。しかし、走行中にコースティングがあまり効かない、物理スイッチが少なすぎて慣れが必要、など些細な点ばかりで致命的なことは見当たりませんでした。ここがダメと感じる部分がほぼない、優等生的なコンパクトBEVだといえるでしょう。

売れる要素がこんなにもあるのかと、いい意味で驚いたeビターラ。冒頭に記した補助金は、いつまで続くかわかりません。早々に打ち切られる場合も十分に考えられますので、気になっている人は、早めにスズキディーラーへ向かいましょう!

<文&写真=青山朋弘>


■eビターラ Z(FWD) 

主要諸元

【寸法・重量】
全長:4275㎜
全幅:1800㎜
全高:1640㎜
ホイールベース:2700㎜
トレッド:前1540/後1540㎜
最低地上高:185㎜
車両重量:1790㎏
乗車定員:5人

【モーター・性能】
型式:1CG
種類:交流同期電動機
最高出力:128kW(174ps)
最大トルク:193Nm(19.7㎏m)
駆動用バッテリー種類:リチウムイオン
駆動用バッテリー総電力量:61kWh
一充電走行距離(WLTCモード):520㎞
最小回転半径:5.2m

【諸装置】
サスペンション:前ストラット/後マルチリンク
ブレーキ:前後Vディスク
タイヤ:前後225/55R18

【価格】
448万8000円


この記事を書いた人

青山朋弘

【執筆者】青山朋弘

フリーランスライター兼編集者

新車専門誌、中古車専門誌、モータースポーツ誌などの編集部を経て、現在はフリーランスの編集&ライター。
自動車専門誌やWebサイトに寄稿しながら、YouTube動画の撮影・編集も行う。
愛車は10年前に走行5万kmで見つけた、NA型ロードスターの初期型。
趣味のMTBをどうやって積むのがいいか、常に試行錯誤している。

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